yaruki_moetsuki_businesswoman

169: 名無しさん@おーぷん 2018/09/14(金)07:58:14 ID:lxU
小さい修羅場回避した話
ちょっと長くなってしまったので二分割

昔、短大卒業してすぐ入ったところが、パワハラをパワハラとも思わないオッサンが跳梁跋扈の会社だった
そこは田舎ゆえか規模が小さく(+人件費削減でさらに人を減らし)、同じセクションの人が私含めて5人しかいない
その内の一人のオッサンは、もともと営業だったけど現場の方に移動してきた人だった(何故かは知らない)
社会に出たばかりで右も左も社会の常識もわからない為、教わった事は一回で覚えなきゃ、メモを取り逃さないようにしなきゃと気負っていた
しかし「わからない事があったら何回でも聞いていいから」と言ってもらえて、「優しいなあ、良い会社に入れたんだなあ」とほっとするような純朴(と書いてばかと読む)な若者だった

入社してまだ間もなかったある日、顧客情報を登録するパソコンを操作していた時、文字入力欄をクリックしても点滅する縦線(これ→|)が現れなかった
まあクリックするところがずれていて、並んでいる欄が二つか三つある内の一番右じゃなくて真ん中をクリックすればよかっただけの話なんだけど
メモを見返すが、該当ページを模写した簡単なイラストと、「←この料金の欄をクリックして値を入力」みたいなメモしか残っておらず
「(あれ?……あれ?何でだろ?しまった、流石にこんな詳細なメモは取ってなかった…。開くページは合ってるはずなのに)」と暫く悩み、クリックを連打してみたり左の欄をクリックしてみたりしてみたけど解決せず。
しょうがないから、隣にいたオッサンに「すみません、これクリックしても入力できるようにならないんですけど、どこをクリックするんでしたっけ…?」と質問した
その日最初の質問だったと思う
オッサンはいつも朗らかで、周りの空気を和らげるような冗談を言うお茶目キャラだったから、その時も「ああ、これはここだよー^^」と軽く教えてもらえると思っていた

オッサンは一瞬押し黙ると「……この前教えたよな?」と言った
思わず「え?」と言いながらもう一度オッサンを見上げると、もうオッサンの全身から立ち昇る怒気が見えるんじゃないかという程の圧を感じた
「あ、あの…メモ、したんですけど、ちょっとそこまで書いてなかったみたいで…」と、オッサンのあまりの変貌ぶりに混乱しながらも、私は馬鹿正直に答えてしまう
オッサンは「…何で?何でもメモするように言ったよな?何でこれ書いてないの?何で?何で?何で??」と静かにブッチブチにブチ切れながら詰問を始めるオッサン
オッサンから繰り出される何で何でラッシュに「こ、ここだけ、書いてなかったみたいで…」としどろもどろに答えるしかなく「(これが漫画なら絶対「ドドドドドド」って擬音が入る奴やこれ)」とパニクって現実逃避する私
「あちゃー」という顔で後ろから見てくる別セクションの先輩
大きく息を吸うオッサン、一触即発、このまま私はエレベータから正面玄関からいつお客様が入って来るともしれないこのでかいホールで怒鳴られる運命かと諦めかけた




170: 名無しさん@おーぷん 2018/09/14(金)07:58:54 ID:lxU
続き

その時、オッサンが声を上げるも先に、予約があったお客様が正面玄関から入ってきた
その会社は、お客様が来たらすぐにお出迎えして案内する系のサービス業
ていうかもうめんどくさいから書いちゃうとホテルフロントなんだけど
腐っても社会人のオッサンはお客様が来るとすぐに私の横を通り過ぎ、対応に向かった
チェックインをするお客様が後光差す神様にしか見えず、震える声を隠しながら心の中でその神タイミングに心の底から感謝しまくった

案内の為にオッサンがその場を離れ執行猶予を得た私、脳みそをフル回転させて起氏回生を図る
走馬灯は現れなかったけど、何かその時だけIQが上昇した感覚を味わったわ
無事操作方法を思い出し盛大にほっとしているところへ、覇王色の覇気みたいなのを纏ったオッサンが戻ってきた
「わ、わかりました!思い出しました!入力できましたので大丈夫です!」と慌てて言う私の元へ行こうと、オッサンは身を屈めてホテルフロントのカウンターの小さい扉を開け、潜った

その時オッサンの腰に衝撃走る
オッサンは屈めた体勢のまま固まると、呻いた
「!?」となり固まる私の背後から「あちゃー」顔をしていた別セクションの先輩がオッサンに手を差し伸べ、「あーほら~~腰悪いのに無理してそんなところ通ろうとするから~!」
そう言いながら、オッサンをカウンターのバックヤードへ連れて行き椅子に座らせた
ギックリ、までは行かないにしても相当痛かったらしく、先程の覇気は嘘のように消え失せ項垂れるオッサン
あまりにも儚いオッサンの腰と、醸し出される雰囲気の落差に本気で心配になってしまい、私は今の今までブチ切れられていたのに思わず「あ、あの…大丈夫ですか…?」と声をかけてしまった
オッサンは痛む腰を押さえ俯きながら頷いていた
結局仕事の処理で困ったのはそこだけで、あとはスイスイスムーズに顧客情報登録を終えると、爆発した腰を抱え休んでいるオッサンを尻目に、私は続々と来訪するお客様の対応へ向かったのだった

後日、優しかったオッサンが何故態度を急変させたのかという謎に対して立てた「飲み会後の、肩を組むお誘いを断ったからではないか」という仮説
そしてその日から徐々に始まっていくオッサン三人によってそれぞれ展開されるめくるめくパワハラの日々はまた別の話

172: 名無しさん@おーぷん 2018/09/14(金)08:36:11 ID:A99
>>170

作家先生乙。自分に酔ってる感がキモい
> また別の話
kwsk待ちか知らんけどキモいんで消えてください

174: 名無しさん@おーぷん 2018/09/14(金)08:40:58 ID:lxU
>>172

事実は小説より奇なりって言うしね
最初に出したオッサン3人が何にも意味なかったと思って付け足しただけでこれ以上は書かないから大丈夫

引用元: ・今までにあった修羅場を語れ【その26】






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