eye_nozoku_shinen
この記事は未解決となりますので予めご了承下さい。投稿を確認次第追記します
263: 本当にあった怖い名無し 2019/05/18(土) 18:15:01.51 ID:ta34rPoT0.net
つい最近あった幽霊とかでなく人間の話。

転職をきっかけに都内に引っ越ししたんだが、家が借り上げ社宅なもんで家探し等はせず、引っ越し費用だけで済んだ。新しい環境に不安もあったがワクワク感のほうが強かった。
なんせ、前職はパワハラや残業の嵐で仕事が嫌で嫌でしょうがなかったから。
そんな中必氏に転職活動してやっと、理想とまではいかないが普通レベルの会社に入ることができた。
これから俺の新しい人生が始まるのかと、慣れない環境ながらも喜びの方が大きかったんだ。

入社日より1週間ほど前に引っ越ししたんで、俺は家の周りを見て回ることにした。
元々荷物が少なくて必要最低限のものしかもってないから家の中の整理は大体終わってたしな。
家の近くにはコンビニやドラックストアが徒歩でいける距離にあった。
会社からは徒歩10分以内で行ける距離だったし特に不便を感じなかった。
気になるところといえば最寄り駅が徒歩20分で多少遠いな、と感じる程度だった。

他になにか新たな発見はないかと外をウロウロしていると、ヒョロっとした背の高い上下ジャージの男か女か見分けがつかないやつが、じっと地面を見つめて立っているのを発見した。
全く動く気配がなくじっと地面を見つめ続けるだけだった。
不思議に思って近づいたら、キラッと光る家鍵らしきものがやつの側に落ちていた。
ピンときてそれを拾い上げて声をかけた。
「これ落としませんでしたか?」
するとやつはゆっくり振り返りこっちを見た。
髪は短髪で顔もひょろっとしててとにかく痩せすぎてる印象だった。
でもそのわりに目が大きくて目力が半端ねぇな、って思ったのを覚えてる。

やつは何かモゴモゴ言ってた。
聞き取れなかったが素直に鍵を受け取ったので、ああこの鍵を探して途方に暮れて地面を見つめてたのか…くらいに思って立ち去ろうとしたら、「ありがとう…」
蚊の鳴くような声がした。その低い声を聞いてやつが男だと認識した。
「いいんすよ。良かったですね、見つかって」
俺はニッと愛想笑いを浮かべてまた探索に戻った。

それがヤツとのはじめての出会いだった。




269: 本当にあった怖い名無し 2019/05/18(土) 21:55:11.06 ID:ta34rPoT0.net
その後は特に何もなく、仕事も始まりだんだんと生活になれていった。
3ヶ月くらい経った頃、ある異変が起こり始めた。
帰宅後にインターホンがやたら鳴る、郵便物が無くなる……。
仕事に必氏になっていたせいか気にせずいたが、あまりにも頻度が多くなってきたので対処することにした。

基本俺は何かアポがない限りインターホンが鳴ってもドアを開けない。
例えば届け物や通販とかの宅急便が来るってわかってたら開けるくらい。
だから予定外の訪問者は基本無視。が、しかしここ最近のインターホン率は異常だったのでどんな人物かどうか確かめることにした。
俺の家のインターホンは電話しか付いてなく、画面で人を判断できないためドアスコープを覗いて確認することにした。
居留守を使っているため息を頃しながら玄関に向かい、そっとドアスコープを覗いた。

が、何も見えない。真っ暗。
恐らく指で見えないように塞いでいる。だが外の人物が諦めて帰るときに少しでも見えるかと思いじっとドアスコープを覗きながら外のやつが動くのを待った。
10分経っただろうか、次の瞬間俺のポケットに入っているスマホが鳴り出した。
友達からの電話だ。着信音が響いた。
一気に汗が出た。
居留守がバレた。しかもこんな間近で、玄関にいるってばれたんじゃないか。
俺はすぐさま着信音を止め、スコープを慌てて覗き込んだ。まだ真っ暗で何も見えない。
良かった、気付かなかったか…?と思った瞬間、視界が明るくなった。と、同時にゾッとした。
外にいるやつは指で押さえてたんじゃない。ずっと外から覗き込んでいたんだ。
俺が真っ暗で見えないと思ってたものは外のやつの目だったんだ。
やつが顔をパッとあげた瞬間に気付いた。
そして外の人物は見覚えがあった。あのガリヒョロだ。
前にあったときと同じ格好だったし、何よりあの目力。間違いないと思った。

10分間もドアスコープ越しに見つめ合ってたのかと思うとキモかったしゾッとしたしそして何より腹が立った。
鍵を拾ってやったというのになんで俺がこんな嫌がらせを受けなきゃならん?
外の人物が判明して俺は怖いより怒りのほうが強かった。
そして玄関のドアを開けた。

294: 本当にあった怖い名無し 2019/05/20(月) 23:34:40.34 ID:8fMZASFY0.net
恐怖より怒りのほうが強かった俺は玄関のドアを開けた。
いや、開けたというよりドアノブを下げて外に押した、というほうが正解か。
開かなかったんだ。ドアが。
咄嗟にドアスコープを覗いた。なぜかヤツがドアノブをしっかり抑えてやがった。
あんなにガリガリなのに異常に力が強く、ドアノブがびくともしなかった。
それより、あんなにインターホンを鳴らして覗き込んでまで俺のことが気になっているくせに、いざ俺が出ようとすると拒む。何なんだこいつは?

自慢じゃないが俺は多少鍛えていて腹も割れてる。
見るからにムキムキじゃないが細マッチョってやつか。普段筋トレとかしてる割にこんなガリヒョロに力負けしてる。なんかそれも気に食わなくてさらに怒りが倍増した。
「おい!お前なにしてんだよ!手離せよ!!俺に何か言いたいことあんだろ!?」
全体重をドアノブにかけながら外にいるであろうヤツに向かって叫んだ。
すると急にドアノブが軽くなった。と、同時に氏ぬほど力を込めてた俺はドアが開いた瞬間に外に転がり落ちた。
思いっきり腹を強打した。しばらく痛みにうずくまってたが、だんだん痛みが引いていくうちにヤツが居ないことに気付いた。

逃げたんだ。まだ近くにいるかもしれない。
俺はまだ地味に痛ぇ腹を抑えながら周りを確認した。すると数百メートル先の坂の上にヤツがいた。
こっちを見ていた。ヤツはギョロっとした目を歪ませて、笑っていた。
異様に嬉しそうだった。

378: 本当にあった怖い名無し 2019/05/24(金) 21:20:17.04 ID:E+vx5AW+0.net
その後ヤツには逃げられた。腹にはアザができていた。
が、犯人がヤツだと分かっただけでも良しとしようと思うようにした。
また来たらそんときはすぐにドアを開けて対応すりゃいい。
俺は意外と冷静にヤツの対応シュミレーションが頭の中で出来ていた。
警察だけには世話になりたくない。
せっかくあの地獄のような仕事場から抜けられてまともな職に就けたんだ。
仕事の雰囲気にも慣れ始めて、これからってときに面倒ごとはごめんだった。

だが、そんな俺の不安をよそにあの日以来嫌がらせはピタッと止んだ。
恐らく自分の正体を知られてビビったんだろうと思った。
恐ろしい体験をしたが、平穏な生活が戻ってくるだけでも、仕事に集中できる。
月日が経つに連れて俺はあの出来事を忘れられる気がした。


ある日いつものように8時頃に家を出た。
玄関のドアを開けて、天気の確認をしようと空を見上げた。

息が止まるかと思った。
ヤツが立っていた。
ギョロっとした目をこちらに向けると、外に出ようとした俺を家に押し戻そうとあの馬鹿力を出しやがった。
俺は声も出せないまま抵抗もできないまま玄関に倒れ込んだ。
ヤツが上から馬乗りになり、覆いかぶさってきた。

引用元: ・氏ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?354






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